決起集会 平成28年7月17日
開会の挨拶
名古屋城天守閣を木造復元し、旧町名を復活する会 北見昌朗
お隣の三重県には、世界遺産があります。熊野古道です。
岐阜県にも、世界遺産があります。古川郷の合掌村です。
静岡県にも、世界遺産があります。富士山です。
ところが、この愛知県にはない。これを残念だとは思いませんか?
愛知県で、世界遺産になりそうなものは、何かありますか? 私が思い浮かぶのは名古屋城です。名古屋城は、木造建築文化の頂点です。その鉄壁の城が戦争抑止力となり、200年以上も平和が保たれました。
この名古屋城を昔のままの姿に復元しましょう。本日は、そのために決起集会を開きました。
記念講演 須田寛氏(名古屋商工会議所文化観光委員会 委員長)
講演 北見昌朗
講演要旨「ふるさと納税の活用で、天守閣の木造復元を!」 平成28年7月17日
計画の練り直しが求められるタイミング
私は「名古屋城天守閣を木造復元し、旧町名を復活する会」の北見昌朗と申します。この会は平成24年に「名古屋の旧町名の復活を目指す会」として発足しました。平成28年から、名前を変え、名古屋城復元も目指すようになりました。
この7月17日という日に、この決起集会を開催できたことがタイミングとして良かったと感じています。計画の練り直しが求められるタイミングだからです。
名古屋市の計画の問題点
まず名古屋市が議会に提出した事業計画の内容が、資料として大変わかりにくかったことが問題として挙げられます。その事業計画は、A4にして4ページでまとめられています。
私は最初それを見たとき違和感がありました。それは何とワードだったからです。事業計画は当然にしてエクセルで作成するのが当たり前です。こんな資料をもとに議論したのだから、市議会議員の先生方もさぞかしわかりにくかっただろうと思います。
市主催のタウンミーティングにしても具体的な事業計画が発表されないままの議論でしたから、市民にしてみれば理解しにくかったと想像します。
市の作成した事業計画を、私がエクセルで打ち直したのが、ページ①であります。この表は縦軸が「年」であり、1年目、2年目と下りていきます。左側は収入、右側は経費と利益です。
左側の収入のところを見ますと、入場者数があり、お城の入場料収入があり、その内の天守閣収入があります。
入場者数は、360万人を維持することになっています。
入場料は現在500円ですが、市外を1,000円に引き上げる方針です。市内は450円です。
入場料の収入は、75%を天守閣に充てることになっています。
天守閣収入は、360万人の時で19億円となっています。
一方、支出は、金利、運営費、修繕費等が並んでいます。1年間平均すれば、8億円ほどです。
収入から支出を差し引いたのが利益ですが、360万人入った時でも、11億円の利益ですから、その累計額が投資額の500億円に到達するのは43年後になる見込みです。
私は、この事業計画を見て、愕然としました。問題点は3つです。
- 投資の回収期間が長すぎる。これでは、孫の世代まで借財を残すことになりかねない。
- 入場数の見込みが楽観的すぎる。入場者数は、現在170万人ですが、それが360万人となり、以後50年間維持できる見込みになっています。これは、もう、こうだったら良いなという願望のレベルだと思いました。もし、260万人にとどまりますと、50年経っても180億円の借財が残ります。
- 地震の心配です。いずれ地震が起きますと、再建修復にまたオカネが要るようになります。熊本のようにです。
以上の理由から、とても現実的な案だとは思えませんでした。起債で資金調達することは良いのですが、問題は投資の回収、つまり借財の返済計画です。
ふるさと納税を活用して投資回収
私は、1つの代案を出します。ふるさと納税を活用して投資回収をする案です。入場者の9割は市外です。市外の人が、ふるさと納税ということで、1万円寄付したら、5千円がお城に入り、本人は飲食券が3,000円、無料入場チケットが1枚もらえるというのは、いかがでしょうか?
お城の入口に、入場券売り場の横に、ふるさと納税の窓口を設けるのです。皆様ならば、入場料1,000円を払うか? ふるさと納税で1万円払うか、どちらを選びますか? 相手に損得を考えさせるようにするのです。5,000円は、500円の10人分、1,000円の5人分です。つまり客単価アップ作戦です。
仮に入場者が270万人だとします。市外の入場者の5人に1人が、1万円を寄付したとしますと、収入は、入場券よりも、ふるさと納税の方が多くなります。
ふるさと納税の制度は、いつまで続くのか定かでありませんので、早くやって財源確保をしていただきたいところです。
寄付金を100億円確保し、残り400億円必要だとしますと、15年で投資を回収できます。
この15年という期間が大事なところです。民間での設備投資は、工場建設の場合で土地代含めて15年の回収が基本です。
寄付金集め
ふるさと納税という制度は、いつまであるのか定かではありませんので、それに依存した経営では困ります。そこで、寄付金を募ることをお勧めします。大事なことは、寄付をした人に対する特典です。神社には名前を刻んだ石がありますが、それが必要です。
例えば、メモリアルパークを作ってはいかがでしょうか? 1億円寄付した人は城内に銅像を造る権利を与えるのです。5000万円寄付したら、胸像というわけです。
会社が寄付してくれたら、それがずっとPR看板として残るという訳です。そのぐらいの柔軟性が欲しいです。
単なる寄付金集めでは、人気がありませんが、寄付した人に対するメリットがあれば、100億円ぐらい集まると思います。
店を作らせる
城内は、店がわずかしなく、土地はガラガラの状態です。そこで店を積極的に誘致していただきたい。クイさえ打たなければ、店を作っても文化庁は認めてくれるそうです。そうすれば所場代が取れます。名古屋城の事務所は、そのような営業的努力をしていないのが大いに問題です。だいたい、名古屋城の事務所は親方日の丸的体質であり、そこに任せていたら良くなりません。
看板を作らせる
大量の入場者が見込めますので、そこに看板を作ってPRする意味があります。そこで看板設置費代も取るようにしていただきたい。
収入源を整理すれば…
収入源を整理すれば、①ふるさと納税寄付金、②入場料、③寄付金、④お店の所場代、⑤看板設置代などが考えられます。①ふるさと納税寄付金、②入場料、③寄付金、④お店の所場代、⑤看板設置代です。
集客のための投資
大事なことは、集客になるような投資を継続的に行うことです。投資とは、民間企業でいうところの商品力アップと宣伝広告です。天守閣は、歴史を学ぶ生涯学習の場として、整備して欲しい。博物館や図書館にあるものを一カ所に集めて、名古屋の歴史を学ぶ拠点にして欲しい。小学生が郷土史を学べるようにして欲しい。
現在の事業計画では、ただ巨大な建物があるだけで、ガラン堂ですが、それでは人が集まりません。
テーマパークとして大事なことは、常に新しくして、飽きさせない仕組みです。ライバルは、ディズニーランドです。
名古屋市の計画は、支出の部を見ますと、人件費や修繕費などの経費が載っているだけで、お客様を呼び込むための投資がありません。これではダメです。
建築・文化・経営の各界でプロジェクトチーム
復元の事業計画は、市役所が作ってきた感じですが、そうではなく、建築・文化・経営の各界でプロジェクトチームを作り、知恵を集めて、計画を練り直すことを要望いたします。
お城はテーマパークであり、高速道路とは違います。公務員的発想では無理です。
京セラの稲盛和夫氏の言葉をご紹介します。「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」です。「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」です。その精神に基づき、実行可能な、実現可能な計画を練り直していただきたい。
天守閣の投資は15年以内に回収
名古屋城は、天守閣がゴールではありません。東北隅櫓、多聞櫓、二の丸御殿などの整備が必要であり、そこまで揃えば江戸時代のままの状態になり、世界遺産への登録を申請できるようになります。それを20年以内にできればと願っています。そうなりますと、天守閣の投資回収だけで40年以上かかるというのは、遅すぎます。
私の考えを7月23日の例会の場で、詳しくご説明します。
お城は、名古屋の宝です。将来、必ず世界遺産にまでなることを目指して、党利党派を超えて、一致団結していきましょう。本日がそのきっかけになれば、幸いです。
名古屋城のポスター解説
講師: 川地建築設計室 川地正数氏
家康は70歳も近くになり、何としてでも徳川政権を盤石なものにするためには、関ケ原の役で勝利し天下の政権を勝ち取った後も大坂城に残る秀頼の存在は大きな脅威であり、万が一豊臣の息のかかった大名が一致団結し秀頼を盛り立て江戸に向かったら・・・、それを何としてでも阻止するため、極めて短期間のうちに最大かつ最強の軍事要塞として名古屋城を築城する必要があった。
そして家康自らの手による名古屋城の大凡の完成は、京都方広寺の梵鐘の銘文事件を口実に大坂冬の陣・夏の陣を起こし遂に豊臣家を滅ぼし、元和偃武(げんなえんぶ)の願いから元号を元和に改め、応仁の乱から始まり150年間続いた戦国の世を、天下泰平の世にした新しい時代の幕開けとなる切っ掛けを作った…。
この最大にして最強かつ最後の軍事要塞であった名古屋城の史実に忠実な復元が実現すれば、このように歴史を変えたという意味で、世界遺産に値する城であると言っても過言ではない。
(家康は徳川政権を盤石なものにし元号を元和に改めた翌年(元和二年)に駿府城にて74歳で逝去した)
この名古屋城の地形は、周囲から10mほど高く固い地盤の名古屋台地の西北端に位置し、小牧、犬山、岐阜、さらには関ケ原から養老山系の遠望を見渡すことができる絶好の地であった。またこの地の北と西は断崖により深井(ふけ)と呼ばれる低湿地帯が広がり、重装備の大軍を寄せ付けない自然の要塞でもあった。
このような地形における名古屋城の城作り(縄張)は、それまでの城作りとは異なり、「今までにない大砲のような破壊効果の大きな武器に耐える」また、「数万を超える大軍勢に耐える」城作りであった。
具体的には、名古屋城の特徴は直線と直角を基本とするシンプルな縄張で構成され、南に広がる広大な三之丸(南北600m、東西1400m)により、大阪冬の陣で使用された大砲では、本丸は射程圏外であった。また城の北及び西には前述の深井と呼ばれる低湿地帯により、本丸の射程圏内に近づくことはとても困難であった。
また万が一、三之丸が突破された場合に備えて、各郭のずれが生み出す多くの塁線(堀)の出入りにより横矢が可能になり、さらに本丸の南と東に配置された巨大な馬出があり、その内側にはそれぞれ厳重な枡形虎口があり、本丸への進入を阻む鉄壁な守りとなっていた。そして100間四方(200m角)の本丸の特徴として、四隅に天守を含めて隅櫓が配置され、それらを繋ぐ多門櫓の四周配置により、相手に知られることのない移動により、完全な面的防御と重層的攻撃が可能になっていた。
特に天守の外壁は、土壁の厚さが30㎝(1尺)あり、その内側に厚さ12㎝(4寸)の欅板の鎧張りを施し、大砲等による防弾・防火対策として万全な壁構造となっていた。
最後に各郭の機能(役割)としては、
- 二之丸:二之丸御殿(御城)藩主の住居と政治の場(藩庁)、二之丸庭園
- 西ノ丸:一番蔵から六番蔵に至る土蔵があり、米蔵として使用
- 御深井丸:弓矢櫓、鉄砲蔵、弾薬庫、塩蔵等
- 御深井御庭:吹上御苑のモデルにもなり、桂離宮に匹敵する諸施設(松山御茶屋・瀬戸御茶屋・竹長押御茶屋)があった。
パネルディスカッション
「名古屋城天守閣を木造で復元する意義と課題」
- クリス・グレン氏(名古屋を愛する外国人ラジオDJ)
- 須田寛氏(名古屋商工会議所文化観光委員会 委員長)
- 谷喜久郎氏(新東通信会長。「なもじめ」を流行させた仕掛け人)
- 安田文吉氏(文楽を愛する東海学園大学人文学部教授)
- 河村たかし氏(名古屋市長)
司会:デワルト・イレーネ氏(日本各地の祭りを訪ねるのが趣味のDJ)
パネラーに対する質問
安田文吉氏
お城が本物になれば、徳川宗春公もお喜びかと思いますが、宗春公が名君だったという再評価の動きも強まりますか?
谷喜久郎氏
谷さんは、名古屋城をはじめ、地元名古屋で数々のイベントを仕掛けてこられた実績をお持ちですが、そのアイデアの元と内容をお聞かせいただけますか?
クリス・グレン氏
元禄時代の俯瞰図をポスターにしたものを、北見さんが制作されました。あれを手にして名古屋城を歩くというイベントをしたら、いかがかと思いますが、どうでしょうか?
須田寛氏
話は変わりますが、リニアの投資額はいくらですか? 何年で回収する計画ですか?
名古屋市は、天守閣の木造復元費用を500億円とし、それを全額起債で調達し、50年間で回収する方針のようです。
この「50年」という回収期間の長さは、問題だという意見が民間から根強いですが、このような事業の場合、何年で回収する前提で事業を立てるべきでしょうか?
安田文吉氏
お城が本物になれば、名古屋の文化が盛んになると思います。天守閣の木造復元の意義を、文化の観点からお話下さい。
谷喜久郎氏
名古屋城の天守閣の木造復元には、背景として、本丸御殿の復元にご尽力された故夢童 由里子(むどう ゆりこ)さんの功績が大きいと思いますが、夢童さんの功績をどう思われますか?
須田寛氏
名古屋市は、入場料を中心にした収入で、50年かかりで投資を回収するという方針ですが、心もとない感じです。ここは地元の経営者が知恵を貸してアドバイスするを体制を作ることで、早期に回収できるようにした方が良いと思いますが、地元経済人として、どのようにお考えですか?
参加者挙手アンケート
Q 天守閣の木造復元の投資の回収方法の質問です。
①入場料のみの名古屋市案 ②ふるさと納税および入場料および寄付金の組み合わせ案 ③わからない
Q 天守閣の木造復元の寄付金募集が始まったら、寄付しますか?
①はい ②いいえ
Q 入場料は、入口で取っていますが、そこを無料開放し、天守閣と本丸御殿で入場料を取る方法に切り替えることに賛成ですか?
①賛成 ②反対 ③わからない
Q 入場料は現在500円です。天守閣木造復元後に市外の人は1000円に改訂する方針ですが、市外のみ1000円にすることに賛成ですか?
①賛成 ②反対 ③わからない
Q 市債の返済は、40年間の起債を何度かに分けて行うので、最終的には「50年間」に及びます。この期間の長さは、問題があるという意見が民間から出ています。そこで、この回収年月に関する質問です。本来ならば、どんな期間で回収するべきだと思いますか?
①10年 ②20年 ③30年 ④40年 ⑤50年 ⑤わからない
Q 投資額500億円を、入場料のみで返済するには、360万人の入場者が必要です。天守閣が完成したら、50年間、360万人をずっと維持できると思いますか? 前年は170万人でした。来場者の9割が市外から、1割が市内からでした。
①できる ②できない ③わからない
Q 天守閣木造復元の事業は市役所が推進していますが、心もとないので、「天守閣木造復元 官民プロジェクト」を立ち上げて、建築家・文化人・経済人等々の意見を聴きながら、推進した方が良いと思いますか?
①はい ②いいえ ③わからない
河村たかし市長の挨拶
気勢(英傑会)
映画「本物の名古屋城を世界遺産にしよう!」
名古屋活動写真の森零監督が、この日のために特別に制作しました。各界の多くの市民が熱い思いを語っています。
映画「本物の名古屋城を世界遺産にしよう!」の出演者一覧(敬称略)。
- 徳川黎明会 徳川 義崇
- 名古屋市長 河村 たかし
- 本丸ネットワーク 清洲山王宮日吉神社 宮司 三輪 隆裕
- 西川流四世家元 西川 千雅
- 堀川文化を伝える会 会長 辻 信雄
- 株式会社あるむ 取締役会長 川角 信夫
- 堀川文化を伝える会 加藤 康彦
- 瑞穂区環境審議会委員 酒井 清夫
- 堀川文化を伝える会 大石 勲
- ゴンドラと堀川水辺を守る会 事務長 石浦 薫
- 碁盤割りの生き字引 伊藤 宗太郎
- 札幌かに本家 代表取締役社長 日置 達郎
- 徳川宗春研究家 北川 宥智
- 講談師 旭堂 鱗林
- 一級建築士 野口 和樹
- 株式会社安藤・間 名古屋支店副支店長 牧 清
- 料亭つたも 取締役社長 深田 正雄
- アール・プランニング 六田 隆郎
- 基デザイン研究所 主宰 筒井 信之
- 平安桜 水原 和希
- 石碑の石米 代表 小川町自治会長 山田 耕治
- 神皇車保存会員 大内 裕二
- 筒井町内会長 加藤 善久
- ラジオDJ クリス・グレン
- 名古屋学院大学教授 井澤 知旦
- 名古屋の生き字引 伊藤 喜雄
- 安田 文吉先生
- 北見 昌朗
平成28年7月17日に開催された決起集会がメディアで報じられました
CBCテレビ 名古屋城木造復元賛成派が決起集会
名古屋城天守閣の木造復元構想に賛成する市民団体が17日、名古屋市中区で決起集会を開きました。
決起集会には、市民らおよそ400人が集まりました。
壇上では、名古屋市の河村市長をはじめ、大学教授や商工会議所の関係者、それに外国人ラジオパーソナリティーらが今後の観光やまちづくりに与える影響についての意見交換や復元にかかる費用にふるさと納税を活用する提言などを行いました。
市議会などでは木造復元自体には賛成意見が多く、名古屋市は、リニア中央新幹線が開業予定の2027年までの完成に目標を見直し、工程や収支計画などを検討する方針です。
(CBCテレビ)
NHKニュース 名古屋城木造復元考えるシンポ
名古屋城天守閣の木造での復元について考えるシンポジウムが名古屋市で開かれました。
名古屋城天守閣については、名古屋市が現在、木造での復元を目指し具体的な計画案の策定を進めています。
17日は、この計画を考えるシンポジウムが開かれ、地元の住民など約400人が参加しました。
最初に、名古屋商工会議所の文化・観光委員長を務める須田寛さんが講演を行い、「天守閣の木造での復元には500億円という多額の費用がかかる。木造化による文化財や観光資源としての意義などをしっかりと説明したうえで、市民で十分に議論を行い合意形成を得ることが重要だ」と今後の課題について語りました。
続いて、名古屋市の河村市長や地元の財界関係者などによるパネルディスカッションが行われ、大工の伝統的な技術の継承や、文化財的な価値が高まることで世界遺産に名古屋城が登録される可能性が出てくることなど、木造で復元する意義について意見が出されました。
参加した70代の女性は、「技術の継承などこれまで知らなかった木造化を目指すいろいろな理由がわかった」と話していました。
(NHKニュースWeb)
メ~テレ 名古屋城の天守閣「木造化」賛成の市民が意見交換
テレビ愛知 名古屋城天守閣 木造復元化決起集会
東海テレビ 河村市長も出席 木造復元賛成派シンポジウム
木造復元へ課題探る 名古屋城 市民団体が決起集会
名古屋城天守閣の木造復元に賛成する市民団体による決起集会「本物の名古屋城を世界遺産にしよう」が17日、中区の鯱城ホールであり、約400人が参加した。
木造復元の実現に向けた課題を、多くの人に考えてほしいと市民団体「名古屋城天守閣を木造復元し、旧町名の復活を目指す会」が主催。名古屋商工会議所文化委員会の須田寛委員長らが講演したほか、木造復元を望む人たちの声を集めた映画が上映された。
パネル討論では、有識者5人が経済や文化、観光の観点から課題を指摘。須田さんは「どう考えても相当なお金がかかり巡り巡って市民の負担になる。(寄付金など)資金を誰がどんなふうに分担するか、徹底的に議論するべきだ」と提案し、東海学園大の安田文吉特任教授は「きちんと元通り造れば世界遺産に認定される可能性は高い」と述べた。
参加者への挙手アンケートも実施。「木造復元事業に寄付するか」には、ほぼ全員が賛成し、木造復元の官民プロジェクトの設立提案にも、ほとんどが賛成に手を挙げた。
決起集会には河村たかし市長も参加。集会の最後に「世界にただ一つの寸分たがわぬ復元ができるのが名古屋城。このチャンスをほっておいてはいけない」と呼びかけ、参加者全員で木造復元に向けて勝どきを上げた。
(中日新聞 蜘手美鶴)
木造天守閣復元へ気勢 名古屋城 決起集会に400人
名古屋城天守閣の木造復元に賛同する市民らの決起集会「本物の名古屋城を世界遺産にしよう」が17日、名古屋市中区で開かれた。約400人が参加して気勢を上げた。
中小企業経営者らでつくる「名古屋城天守閣を木造復元し、旧町名の復活を目指す会」が企画した。
講演やシンポジウムでは、木造復元への期待が語られた。費用約500億円を年間360万人の入場料で50年かけて回収する市の計画には、「現実的ではない」と、会側の代案が出された。
入場者を260万人とし、入場料のほか、ふるさと納税や特典を設けた寄付(100億円目標)などで15年で回収する内容だ。建築や文化、経済関係の人材を集めたプロジェクトチームを加えて事業を進めることなども提案された。
シンポジウムで須田寛・名古屋商工会議所文化観光委員会委員長は「本当に費用は500億円なのか。周辺への経済効果や文化的効果なども含め徹底検証が要る」と語った。
河村たかし市長は「世界に向かって名古屋にあるといえるものがあるか。持てるチャンスがある」と実現を訴えた。
(毎日新聞 清藤天)
名古屋城天守閣、木造復元実現へ市民団体が集会
名古屋城天守閣の木造復元構想に賛成する市民団体が17日、名古屋市内で決起集会を開いた。有識者による講演やパネル討論を通して構想の意義について意見交換した。
講演で登壇した、名古屋商工会議所文化観光委員長の須田寛氏は「(文化財としてだけでなく)観光資源としても両立できれば、これに勝るものはない」と構想実現への期待を述べた。
河村たかし名古屋市長はパネル討論の最後に発言。構想が実現すれば約400年前の築城当時の姿を復元できることから、「文化的に世界一のものを持てるチャンスを放っておいてはいけない」と意気込んだ。
集会は「名古屋城天守閣を木造復元し、旧町名の復活を目指す会」が主催し、市民ら約500人が参加した。同会は会合を引き続き開催し、木造復元する意義の周知を図る考えだ。
(日本経済新聞)
「世界遺産目指す」名古屋城木造復元へ集会
名古屋城天守閣の木造復元を目指す決起集会が17日、名古屋市内で開かれ、JR東海相談役の須田寛さんは記念講演で「名古屋の文化と観光のまちづくりの中核事業になる」と強調した。参加した市民約400人も「復元を実現し、世界遺産に」と気勢を上げた。
市民団体「名古屋城天守閣を木造復元し、旧町名の復活を目指す会」(北見昌朗代表)の主催。須田さんや安田文吉・東海学園大学教授らによるパネルディスカッションでは、巨額な建設費をめぐって、「ふるさと納税の活用など資金確保に民間の知恵を入れるべきだ」「市全域への経済波及効果の見積もりが必要」などの意見が出た。
議論を踏まえて河村たかし市長は「今のままでは名古屋は素通りされるだけ。寸分たがわぬ復元が出来る城はほかにない」と持論を訴えた。
(読売新聞)